猫が甘えてくる姿はとてもかわいいですよね。
でも、甘えてくるだけかと思ったら、いつの間にか飼い主さんや毛布などの上に乗ってマウンティングしてしまっていることはありませんか?
「手術したのに……」と不安になってしまうかもしれません。
このマウンティングは猫にとってどういうものなのでしょうか。
紹介していきたいと思います。
猫のマウンティングって何?いつから?みんなするの?
猫が他の猫や、飼い主さんに馬乗りになることを「マウンティング」と言います。
子猫の時はほぼ見かけません。
生まれて5〜6ヶ月頃、大人の猫と言われる1歳と子猫の間位の頃からマウンティングをする猫が多いようです。
性格にもよりますが、本能的な行動なので、去勢をしていない大人の猫はしてしまう猫が多いです。
どうしてマウンティングするの?交尾との違いは?
マウンティングは本能的な行動ですが、どうやら猫にとっては区別があるようです。
どんな場合にどんな気持ちでマウンティングをするのでしょうか?
- 猫がマウンティングしたくなるのはこんな時
- マウンティングの3パターン
解説していきますね。
猫がマウンティングしたくなるのはこんな時
猫がマウンティングをしたくなるのは、発情期に「自分の方が強いぞ」とアピールをしたい時や、何か失敗した時です。
自分の強さや縄張りをアピールすることを「優位性誇示」と言います。
まだ野生で暮らしていた頃、敵を寄せ付けないために身につけた本能からくる性質です。
また、何かに失敗した時や予想もしない出来事が起きた時にする行動のことを「転移行動」と言います。
飛び乗ろうとしたソファにうまく飛び移れなかった時などに、自分を落ち着かせようとする行動です。
「優位性をアピールしているな」、「何か失敗しちゃったのかな」と思うことができたら、猫がマウンティングしていたとしてもギョッとすることは減るのではないでしょうか。
マウンティングの3パターン
まず、1つ目は性行為の練習をしているパターンです。
この場合、ぬいぐるみや飼い主さんの腕、クッションなどにマウンティングします。
マウンティングしながら喉を鳴らす場合も、このパターンのことが多いです。
また、高い声や大きな声で鳴くこともあります。
2つ目は「優位性誇示」のマウンティングです。
猫は元々縄張り意識が強い動物なので、相手の猫に対して「自分のエリアだぞ」とアピールするためにマウンティングをします。
このパターンの場合、相手は同じくらいの体格の猫、オス同士のこともあります。
喉を鳴らすこともないので、1つ目のパターンとは違うなと気づくことができます。
3つ目は「転移行動」のマウンティングです。
これはマウンティングの前に何かに失敗したり、しようとしていたことを中断させられたりといった原因があるので、他の2つのパターンと見分けることができます。
去勢したのにマウンティングしているのはなぜ?ストレス?やめさせないといけないの?
「去勢手術をするとマウンティングをすることはなくなる」と思っていたのに、マウンティングをしている現場を見てしまうとびっくりしますよね。
猫にはそれでもやっぱりマウンティングをしてしまうことがあります。
「しかたのないこと」と放っておいてもいいのでしょうか?
- 去勢したのにマウンティングしてる!なぜ?これは問題行動?
- やめさせたい問題行動とは?
- 問題行動に対策はある?
これらについて、紹介したいと思います。
去勢したのにマウンティングしてる!なぜ?これは問題行動?
去勢手術でしなくなるのは性行為としてのマウンティングです。
なので、上で紹介した「優位性誇示」や「転移行動」としてのマウンティングはなくなりません。
もし、去勢後の猫がマウンティングをしていたら、その前にどんな行動をしていたか思い出してみましょう。
何か失敗して照れ隠しをしているだけかもしれませんし、飼い主さんを独占したいだけかもしれません。
やめさせたい問題行動とは?
ここで、やめさせた方がいいマウンティングについても紹介したいと思います。
やはり、激しすぎるマウンティングはやめさせた方がいいです。
このマウンティングは自分の強さをアピールしていることが多いです。
マウンティングの最中、相手の体を噛んで、動かないようがっちりと押さえつけています。
相手が猫や飼い主さんの場合はけがをしてしまうことがありますし、相手が毛布やクッションの場合は、その毛布やクッションを嚙みちぎってしまったり、切れ端を飲み込んでしまったりするかもしれません。
問題行動としてのマウンティングに対策はある?
問題行動としてのマウンティングに対しては、別のことに注意を向けさせるのが良いです。
具体的には、猫じゃらしやポインターなど猫の運動につながるようなおもちゃで遊んであげることです。
マウンティングをしていた猫は、そのおもちゃで飼い主さんと遊ぶことで狩りをしているような気持ちになるので、強さのアピールには十分です。
決して大きな声で叱ってはいけません。
猫は元々大きな声や音が苦手です。
大きな声で叱られることで、猫が精神的に不安定になってしまうことがあります。
また、過剰に攻撃的になっているのでなければ猫同士を隔離する必要はありません。
家具の配置で高い場所と低い場所を作ったり、ベッドの数を増やしてくつろぐ場所を増やすことで猫同士の上下関係や縄張りに対する欲求を満たすことができるからです。
去勢後の猫は元気がない?飼い主さんが気をつけたいポイント
猫の去勢手術は多くは日帰りの外科手術なので、病気になった時の手術と比べると簡単だと思うかもしれません。
ですが、猫にとっては緊張の連続です。
いつもの朝ごはんはもらえず、普段はしない外出、検査と続き、目が覚めたら大事な何かを失っているわけです。
心にも体にもストレスがかかっています。
もし、家に帰ってきて元気がなかったり、物陰に隠れてしまっても落ち着くまで見守りましょう。
マウンティング対策におすすめのグッズ
おすすめグッズとしては猫じゃらしやポインターなどの飼い主さんと遊べるタイプのおもちゃがおすすめです。
猫じゃらしは、羽がついていたり、新体操のリボンのような長さのあるものなどたくさん販売されているので、どんな種類のものが好きか見定めて買いそろえるのも楽しいです。
ポインターは会議で使うような丸い点が出るものや魚の形が出るものなど、これもまた種類がたくさんあります。
もし、部屋のスペースに余裕があるならキャットタワーもおすすめです。
高いところに登れるだけでなく、爪とぎスペースやトイレを内蔵できるものもあるので、飼い主さんにとっても夢が広がることでしょう。
去勢したら猫の様子が変わるって本当?甘えっ子になる?よく鳴くようになる?マウンティングはしなくなるの?
去勢手術は「大人猫になるための試練」と紹介されることもあるくらいなので、やはりこれまでとは少し違う様子になることがあります。
- 去勢したオス猫はこう変わる!見た目編
- 去勢したオス猫はこう変わる!見た目編
- 去勢したオス猫はこう変わる!行動編
この「少し違う様子」について、ひとつずつ紹介します。
去勢したオス猫はこう変わる!見た目編
去勢するとオスの性ホルモンの分泌がなくなるので、ホルモンに影響される部分が大きく変わってきます。
オスの性ホルモンがなくなることで筋肉が減ってきます。
オス猫の体は元々は筋肉質ながっちりした体系ですが、筋肉が落ちるので体全体が丸い印象になります。
顔周りの筋肉も落ちるので、顔が小さくシュッとした印象になることでイケメン度が増す猫もいます。
また、外で暮らす猫の中には手術を受けた証として耳がほんの少しカットされた猫もいます。
去勢したオス猫はこう変わる!性格編
手術後、性格が穏やかになる猫が多いです。
穏やかを通り越して子猫のような甘えん坊になったという印象を受けることも多いです。
メス猫をめぐって争うことがなくなり、闘争心や縄張り意識も減ってくるためと考えられています。
「大人になるための試練」の手術の結果、子猫のようになるなんて面白いですね。
去勢したオス猫はこう変わる!行動編
手術後、手術前に飼い主さんを悩ませていたマウンティングのほか、外出癖やスプレー行動をしなくなる猫が多いです。
性行動をする必要がなくなるので、これらの行動がなくなるのは納得です。
猫によっては困った行動がなくなるまでに数か月かかる場合や、なくならない場合もあるので、飼い主さんには注意が必要です。
また、心配性の猫の場合は、病院に行くときに使ったキャリーバッグやドアを開け閉めする音を警戒することがあります。
まとめ
現場を見てしまうと飼い主さんをびっくりさせることの多いマウンティングですが、猫にとっては意味があってしている行為なのですね。
手術でなくなるマウンティングとなくならないマウンティングがあることを知って、どんな気持ちでしているマウンティングなのかを見分けることがポイントとなります。
実際に手術を受ける猫は大変ですし、飼い主さんも心配なことでしょう。
でも、その試練を乗り越えれば、猫としては穏やかに生活をすることができますし、飼い主さんにとっては、大人猫になっても子猫のように無邪気に甘えてくれるというご褒美があります。
ぜひ、猫の個性に合う対策をとって、マウンティングを乗り越えてしまいましょう!