私たちに癒しをくれるかわいい猫ちゃんですが、猫は鋭い爪を持っています。
この爪は猫にとって大切なものです。
爪が必要以上に伸びてしまうと様々な支障が出てしまうので、飼い主さんが爪切りをしてあげる必要がありますね!
そうはいっても、愛猫の爪切りに苦戦したり、爪切りの頻度に悩むことがあるかもしれません。
自分で切るのか、動物病院で切ってもらうのかも迷うところですね。
そこで、飼い主さんが爪切りに挑戦するときの方法や、病院で切ってもらうメリット、猫の爪切り頻度と大切さをご紹介します。
猫に爪切りが必要な理由
野生の猫は爪切りをしないのに、なぜ飼い猫は爪切りが必要なのでしょうか?
よくある疑問点と、爪切りが必要な理由をあげてみました。
- 爪とぎでも良い?
- 飼い猫だからこそ爪切りが必要
猫の爪はいくつかの層になっています。
内側に新しく鋭い爪があり、外側にいくほど古くパサパサして硬く割れやすくなります。
この構造をふまえて、詳しくみていきましょう。
爪とぎでも良い?
「爪とぎグッズを用意しているから爪切りはしなくて大丈夫」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
実は、猫の爪とぎは爪を短くするためではなく、層になっている外側の爪を剥がす行為なのです。
爪が伸びるのは、爪とぎが不十分で古い層が残ってしまうからです。
さらに、猫も年を重ねると爪が分厚くなり爪とぎの頻度も減るので、シニア猫の飼い主さんは特に注意しましょう。
飼い猫だからこそ爪切りが必要
野生の猫は外の地面を歩き、木登りや硬い木で爪とぎをするなど、生活の中で自然と爪の手入れができています。
一方飼い猫はやわらかい床を歩き、人間が与えた爪とぎグッズしかないので手入れを十分にするのは難しいのです。
また、古い層がはがれた後に出てくる新しい爪は鋭く尖っていて、猫に故意は無くても家具や家族を傷つけてしまう可能性があります。
人間と一緒に暮らす猫だからこそ、爪の尖った部分や伸びすぎた部分を定期的な爪切りでメンテナンスすることが必要なのです。
年を取って爪切りの頻度が多くなったときのためにも、子猫の頃から爪切りに慣れさせておきましょう。
爪切りしないとどうなる?伸ばしっぱなしは巻き爪の危険性も!
爪が必要以上に伸びてしまうと、猫にとって危険なことがたくさんあります。
- 爪が根元から抜ける・巻き爪になる
- 伸びすぎると猫自身の皮膚・目などが傷つく
- 爪の噛み癖がある猫は要注意!
爪切りを嫌がる愛猫のストレスを減らしたいと思うあまり、いつの間にか爪が伸ばしっぱなしにならないように気を付けたいですね。
伸びた爪が起こす危険性を詳しく確認しておきましょう。
爪が根元から抜ける・巻き爪になる
室内で猫を飼っていると、カーテンやカーペットに爪が引っかかってしまうこともあり得ます。
引っかかった爪がとれずパニックになり暴れてしまうと、爪が根元から抜けることもあるのです。
また、特に心配なのは巻き爪です。
爪とぎも爪切りも不十分だと古い爪の層が残ってしまい、爪が内側に入り込みます。
これが巻き爪の症状で、肉球に刺さってしまう可能性もあります。
爪が抜けた場合も巻き爪の症状がひどい場合も、化膿したり爪が死んでしまうこともあるので病院で診てもらいましょう。
伸びすぎると猫自身の皮膚・目などが傷つく
爪が伸びすぎると、毛づくろいなどの些細な行動で皮膚や目を傷つけてしまう可能性があります。
また、複数の猫ちゃんが一緒に生活している環境では、じゃれあって遊んでいるうちにお互いを傷つけてしまうこともあります。
爪の噛み癖がある猫は要注意!
猫は爪とぎや爪切りが不十分で違和感があると、気になる爪を噛んでしまうことがあるようです。
噛んだ爪が割れたり折れたりしては大変です!
爪の噛み癖がある猫ちゃんは小まめに爪切りをして、爪の伸びすぎなどの違和感をなくしてあげることが大切です。
また、猫が爪を噛むのは爪に違和感があるだけでなく、爪に痛みなどのトラブルをかかえている可能性もあります。
猫ちゃんの爪の生え際が腫れていないか?血は出ていないか?などを欠かさず確認しましょう。
猫の爪の構造を知ろう!どこまで切る?失敗を防ぐために
猫の爪は、外側に古い爪と内側に新しい爪の複数の層になっていて、形は丸みを帯びた三日月型をしています。
また、動物の爪にはクイックと呼ばれるピンク色をしている部分があり、神経と血管が通っている大切なところです。
猫の爪にもクイックがあり、切ってしまうと出血し猫ちゃんにとても痛い思いをさせてしまいます。
爪切りの際は、このクイックを避けて透明な爪の尖った部分を切るように注意しましょう。
ちなみに、猫の前足は爪が5本ずつ、後ろ足の爪は4本ずつあるので、忘れずにすべての爪を切ってくださいね。
嫌がる!噛まれる!捕まえられない!飼い主が爪切りする場合の正しい方法とコツ
家で愛猫の爪切りをするのは難しそうだと思う飼い主さんもいるでしょう。
爪切り嫌いな猫ちゃんは逃げて捕まえられないことや、抵抗して飼い主さんを噛んでしまうこともあります。
中には、爪切りの入っているケースを開けるだけで逃げる猫ちゃんもいるようです。
そこで愛猫へのストレスを減らすためにも、猫の正しい爪切り方法とコツを確認しておきましょう。
- 無理やりはダメ!基本の爪切り方法と注意点
- コツは意識させないこと&時間をかけないこと
- 猫用爪切りの選び方!おすすめポイント
猫は足を触られることが嫌いなので、普段から足を触られることに慣らせておくことが大切です。
愛猫のお気に入りの場所や毛布があればリラックスできるので、あらかじめ用意しておくのも良いですね!
これをふまえて、詳細を見ていきましょう。
無理やりはダメ!基本の爪切り方法と注意点
猫は前から爪切りをしようとすると怖がることが多いため、基本的に後ろから行います。
猫が落ち着いているときに、後ろから足を優しく持ちましょう。
抱きかかえられる猫ちゃんなら、飼い主さんの膝に抱えて座らせると安心感が与えられますよ。
体勢が決まったら猫の足先を挟んで持ち、爪の根元を優しく押して普段しまってある爪を出します。
猫の爪切りは根元のピンク色のクイックを避け、透明な尖った爪の先1~2mmを一度で切ってしまいましょう!
面取りするように少しずつ爪切りをする必要はなく、一気に切ってしまえば猫への負担も少なくて済みますよ。
注意点は、優しく触ることとクイックを絶対に切らないことです。
切りすぎを防ぐために、爪を光にかざしてクイックの色をよく確認してくださいね。
ハサミを怖がる猫ちゃんもいるので、切っているところやハサミは猫から見えないようにすると「爪切りは怖い」というイメージを持ちにくいでしょう。
コツは意識させないこと&時間をかけないこと
愛猫の爪切りは飼い主さんも緊張すると思いますが、「今から爪切るをするぞ」「うまくできるか不安」と構えていると、猫はそれだけで怖いことが起こると感じるほど敏感です。
リラックスして猫ちゃんをかわいがり、スキンシップをしながら爪切りに取り組みましょう。
また、あまりに嫌がるときは途中でやめてしまいましょう。
猫は一度「爪切りは怖いこと」と覚えてしまと、なかなか忘れてくれません。
すると、どんどん切るのが難しくなってしまいます。
すべての爪を一度で切らなくても大丈夫なので、少しずつやっていきましょう!
猫用爪切りの選び方!おすすめポイント
猫用爪切りには様々な形や種類がありますので、愛猫に合うものを見つけてあげましょう。
ハサミタイプは子猫などのやわらかい爪におすすめです。
普段使う紙を切るハサミと同じ構造なので、飼い主さんにとっても使いやすいでしょう。
ギロチンやピコックタイプは「パチン」という大きな音がしにくいので、音に敏感な猫ちゃんにおすすめです。
ギロチンタイプは仕上がりもきれいで、動物病院でもよく使われているそうです。
ピコックタイプは切りづらい巻き爪にも使いやすいですよ。
爪の切りすぎを防ぐには、少しずつ削ることができる電動やすりがおすすめです。
ただ、電動特有の音や振動があるので、怖がりの猫ちゃんには向いていません。
愛猫の爪切りに人間用の爪切りを使う人もいるようですが、人間用のものは猫にとっては大きいようです。
やはり猫専用の爪切りを用意するのがよさそうですね。
爪切りを嫌がって暴れるのは猫にも負担!家で切れないときの対策
爪切りが嫌で猫ちゃんが暴れると、飼い主さんだけでなく猫自身の負担にもなってしまいます。
家で爪を切る以外にも方法はあるので、無理に頑張らなくても大丈夫ですよ!
- 動物病院で切ってもらうのがおすすめ!
- ペットショップ・トリミングのショップでも切ってくれる?
- 爪とぎグッズを設置して伸びるスピードを遅くする
他に頼る場所があると安心できますね。
家とは違う環境だとおとなしくなる「猫をかぶる」子もいるので、場所を変えることは暴れる猫ちゃんに効果的かもしれません。
家の近くの病院など、対応してもらえる場所を探しておきましょう。
動物病院で切ってもらうのがおすすめ!
動物病院なら慣れている先生やスタッフが猫ちゃんを落ち着かせてくれ、失敗する心配もしなくて良さそうです。
また、専用の道具もそろっており、仕上がりもきれいに切ってもらえるでしょう。
ペットショップ・トリミングのショップでも切ってくれる?
ペットショップやトリミングショップでは、猫の爪切りはしていないこともあります。
対応してくれるショップもありますが、暴れる猫や高齢の猫は対応できないと言われることもあるようなので、事前に確認しておきましょう。
ペットショップ出身の猫ちゃんなら、そのペットショップに爪切りをしてもらえるか聞いてみるのもひとつの方法ですね。
爪とぎグッズを設置して伸びるスピードを遅くする
爪とぎグッズで猫自身が上手に手入れをしてくれれば、爪切りの頻度を減らせるかもしれません。
ただ、爪が伸びすぎていないか定期的に確認する必要はあります。
全く爪切りをしなくて良いわけではないので、注意してくださいね。
病院で猫の爪切りをするメリットは?
家で飼い主さんが爪切りをできない場合は、やはり動物病院にお願いするのがおすすめです。
なぜ病院が良いのか、メリットを並べてみました。
- 出血など失敗の心配がない
- 猫も飼い主も負担が減りストレス軽減
- 動物病院に慣れることができる
- 爪切りについて直接教えてもらえる
プロにお任せするのが一番安心できそうですね!
メリットを細かく見てみましょう。
出血など失敗の心配がない
動物病院なら猫に詳しい先生やスタッフが対応してくれます。
飼い主さんでは切りにくい形状の爪でも、安心して任せることができますね。
また、もしも出血などがあった場合にも病院ならすぐに処置をしてくれます。
きれいに切ってもらえることで、飼い主さんが少しずつ切るよりも爪切りの頻度が少なくて済むかもしれませんね!
猫も飼い主も負担が減りストレス軽減
病院に行くこともストレスになるかもしれませんし、連れていく手間は発生します。
それでも爪切りのたびに猫ちゃんが暴れたり逃げたりするのであれば、結果的に病院に行く方が負担は減るでしょう。
病院での爪切りなら痛い思いや怖い思いをすることも少なく、爪切りが嫌いな猫ちゃんも爪切りのイメージが変わってくるかもしれません。
動物病院に慣れることができる
爪切りで病院に通う頻度が増えれば、先生に愛猫の様子を知ってもらえる機会も増えます。
猫を飼っていると爪切り以外にも病院にお世話になることがあるので、かかりつけの病院があると安心です。
また、病院に慣れるのはもちろん、普段関わることがない他の動物と同じ待合室にいることに慣れる良い機会にもなります。
爪切りについて直接教えてもらえる
病院で爪切りをしてもらう際、爪切りのコツを先生に聞いてみましょう。
動物病院の先生に教えてもらえれば、ゆくゆくは飼い主さん自身でも愛猫の爪切りをできるようになるかもしれませんよ!
また、爪切りの様子を直接見せてもらうのも良いですね。
飼い主さんが見えると落ち着く猫ちゃんもいれば、逆に暴れてしまうこともあるようなので、外で待つように言われたら指示に従うようにしましょう。
病院での猫の爪切り料金は?もし麻酔をしたら値段はどれくらい?
病院に行く頻度が高くなると、気になるのは病院代ですね。
猫の爪切りでかかる料金についてまとめました。
- 平均的な爪切りの処置費用
- 初めての病院は初診料がかかる
- 巻き爪治療などで麻酔をした場合
爪切り以外にもかかるお金がある場合や、病院によって爪切りの際に診察も必須だということもあります。
どうしても気になるなら事前に問い合わせたり、病院のホームページなどで確認してみてください。
では、参考に料金を見ていきましょう。
平均的な爪切りの処置費用
爪切り単体の費用は平均500円ほどで、高くても1000円くらいには収まりそうです。
病院によっては、健康診断や他の治療のついでに切ってくれることもあります。
初めての病院は初診料がかかる
初めて行く病院では初診料がかかることがあります。
中には再診料がある病院や、初診料・再診料はかからない病院もあるようです。
診料が必要になる代わりに爪切りは無料ということもあるそうで、病院によって様々ですね。
初診料・再診料は1000円~2000円が目安です。
巻き爪治療などで麻酔をした場合
巻き爪がひどく肉球にささってしまった場合や、時間がかかったり強い痛みがでる処置をするときには麻酔を使用することがあります。
麻酔は体への負担が大きく、時には命に係わる危険が伴うため、事前に健康状態を調べる検査が行われます。
場合によっては、手術の数時間前から絶飲食になることもあります。
麻酔の料金は5000円~10000円以上とバラつきがあるようなので、麻酔を使用する前の診察で費用について聞いておきましょう。
パニックになって猫にも人にも危険だと判断された時には、鎮静剤を用いることもあるようです。
痛みや意識をなくす麻酔と違って鎮静剤はウトウトした状態になるものですが、麻酔と同様体に負担もリスクもあります。
鎮静剤の料金は3000円前後です。
麻酔や鎮静剤が必要な事態にならないよう、こまめに爪切りをして対策しましょうね!
猫の爪はどれくらいで切れば良い?爪切りのペースや病院へ行く頻度
猫の爪は年齢や運動量によって伸びるスピードが違うので、爪切りの頻度も異なります。
爪か伸びていないかは、爪の先が尖っていないかでチェックします。
生後1歳未満の子猫や運動量の多い猫は10日、1歳以上の猫は2~3週間が爪切りの目安です。
少なくとも月に1度は切ってあげられるように、頻度は様子を見て調節しましょう。
また、シニア世代の猫は爪とぎが面倒になってしなくなることもあるので、あまり爪とぎをしなくなったと感じたら爪切りの頻度を増やしてあげてください。
猫の爪は前足と後ろ足でも伸びるスピードが異なります。
「前足はまだ伸びていないけど後ろ足は伸びてしまっていた…」などもありうるので、前足で伸び具合をチェックする2~3回に1回は、後ろ足も忘れずにチェックしましょう。
まとめ
ただの猫の爪切りだけなのに病院に行ってもいいのか?と考える飼い主さんもいるでしょう。
でも病院で爪切りをしてもらっている猫ちゃんは意外と多いようです。
家でパパッと切ることができるに越したことがありませんが、病院側に何か思われる心配なんてありません!
爪とぎをあまりしない場合や爪が伸びるスピードの早い場合は爪切りの頻度が高くなるので、病院に行くことが負担になってしまわないように、なるべく家の近くで病院を探せると良いですね。
愛猫が元気に過ごせるよう、爪の伸びすぎには注意してあげましょう!