皆さんは犬用のガムがあるのはご存知かと思います。
今は多くのメーカーから多くの種類のものが販売されていますよね。
与えておくだけで簡単にオーラルケアができるのでとても便利と思われがちですが、その反面リスクもあることも把握しておく必要があります。
今回は犬用ガムの種類や、犬用ガムを与えることのメリット・デメリットについて解説していきます。
犬用のガムってどんなもの・どんな役割があるの?
手軽にオーラルケアが出来る犬用ガム。
種類も多く、愛犬に与えたことのある方も多いのではないでしょうか。
- 犬用ガムの役割について
- 歯磨きガムの効果
- その他の犬用ガムの種類
まずは上記について解説をしていきます。
ガムの役割について
犬用ガムの役割は主にオーラルケアがほとんどです。
歯磨きガムやおやつ用が主な役割として与えている方も多いはずです。
食後の歯垢や食べかすを除去する目的で作られています。
歯磨きガムとして販売されているもので、でこぼこしてるものが多いのは、歯がしっかり凹凸の隙間に入り込み磨けるように作られているためです。
歯磨きガムの効果
食後であれば、ガムで歯垢や食べかすを取ることができます。
また、噛むことによって唾液の分泌を促し、口臭の抑制にも繋がります。
食後に与えるというのが非常に重要です。
とはいっても、歯磨きガムのみでのケアでは不十分な場合もあるのは事実です。
犬の歯は”歯垢”が”歯石”に変わるのが3日〜5日程です。
そのため、食後の歯垢や食べかすを落とすケアには向いていますが、歯石に対してはかなり効果は薄いです。
また、歯磨きガムは歯磨き目的だけではなく、家具などを齧ってしまう子にも、おすすめです。
犬は”噛む欲求”も持っているので、そこを満たしてあげることも、心身の健康には非常に重要になってきます。
歯磨きガムは食物由来のものもあるので、そういったものを与える方が、家具などを齧っているより遥かに安全で、誤飲の心配も減ります。
その他のガムの種類
歯磨きガム以外では、骨ガムや牛皮なども販売されています。
こちらは”歯磨き用”というよりは”おやつ用”や”ひまつぶし用”の意味合いが大きいです。
そして歯磨きガムよりサイズや種類も豊富なのも特徴です。
豚耳や鳥のトサカ、よく聞く原材料だとささみやチーズなどの犬用ガムもあったりします。
これらは直接、オーラルケアとは記載されていませんが、同様の効果を得ることも可能です。
原材料や、ガムのサイズ・形で愛犬にあった犬用ガムを選んであげることが大切です。
歯磨きガムを与えることのメリット・デメリット
次に犬用ガムを与えることはどうなのか、何を知っておく必要があるのか。
- メリット
- デメリット
として解説していきます。
メリット
- 簡単に歯のケアができるので歯磨きの手間を省ける
→歯磨きの手間を軽減できるのはとても嬉しいですよね。
大切な家族だから、と思っていても犬の歯磨きはなかなか大変なものです。
- 唾液の分泌によって口腔内をキレイに保つことが出来る
→唾液には自浄作用もあるので、適度に分泌を促すことで、歯周病の予防にもなります。
歯だけでなく、口全体のケアもできるのはとても助かります。
- いたずらで色々なものを齧ってしまう子も気を紛らわせることができる
→家具などで満たしていた”噛む欲求”をガムで満たしてあげられる。
安全なものを齧ることによって誤飲防止と、物の破損を防げます。
デメリット
- 体質的に合わないと下痢や嘔吐などの症状が出てしまう
→体質はその子によって違うので、合う・合わないは与えた時にしっかり見極めてあげましょう。
こちらは下記の項目で詳しく解説します!
- 丸呑みした時のリスクが大きい
→犬は大抵のものは充分に噛まずに飲み込めてしまう生き物。
犬用のガムなどは取られまいと慌てて飲み込んでしまう子もいるので要注意です。
- 硬すぎると歯が欠けてしまうことも!
→犬の歯はそんなに簡単に折れたり欠けたりはしませんが、硬すぎるものを与え続けることで、ヒビや欠けに繋がります。
一度に長時間与えたい時は、硬さにも注意して選んでみて下さい。
歯磨きガムを与えて下痢・嘔吐をしてしまう理由
犬にガムを与えて調子を崩した時は、この2点も加味して原因を探ってみて下さい。
- 犬は初めて食べるものはお腹がゆるくなりやすい生き物
- 身体に合わない・アレルギーの可能性も
ひとつずつ説明していきます。
犬は初めて食べるものはお腹がゆるくなりやすい生き物
犬の胃腸は初めて食べるものに対して反応しやすく、特に最初はお腹もゆるくなりやすいです。
日頃から色々なものを与えて胃腸の順応性を上げておくだけでも、消化器官は丈夫になっていきます。
また、ガムは消化不良を起こしやすく、量が多いと下痢もしやすいです。
丸呑みや早食いをしないよう、よく見ていてあげてください。
また、丸呑みして喉の通りが悪かったり胃に長時間残ってしまうと、胃が「コレ以上消化できない、通せない」と判断することで嘔吐に繋がることもあります。
また、犬用ガムに限らず、食べた直後に激しく動くことで嘔吐する危険性も増えます。
もともと体の作りから違うので、人より吐き戻しをしやすい生き物です。
食べた直後は消化のため胃が動いているのもあり、激しい動きに伴って嘔吐をしやすくなってしまいます。
上記のとおり、ガムは特に消化不良を起こしやすいので、食べた後にゆっくりできるタイミングであげるのが良いですね。
身体に合わない・アレルギーの可能性も
「今までは大丈夫だったのに、つい昨日から…」と急に体調を崩す場合はアレルギーの可能性も考えられます。
また、単純にその子の体に合わない場合もありますので、犬用ガムを用いたい場合は色々なものを試してみることをオススメします。
下痢や嘔吐で原因物が体外に出たにもかかわらず、体調の改善が見られない場合はすぐに獣医さんにご相談してください。
またガムとは直接関係ありませんが、下痢や嘔吐をした場合、多量の水分が排出されてしまい、脱水症状の危険性も高まります。
食物は負担がかかるので避けたほうがいいですが、様子を見て水分を摂らせることも忘れずにしてあげてください。
犬用のガムによる窒息や腸閉塞の危険性は?
窒息や腸閉塞はガムそのものが詰まってしまうことで起こります。
体にあったサイズのものをあげていれば、十分にリスク回避はできます。
大きなガムの方を好む場合は、片側を人が持ったまま齧らせてあげてください。
ちょっと面倒に聞こえますが、持っているだけで腸閉塞などのリスクが減らせるなら簡単なものです。
また、丸呑みグセのある子には予め小さいものや、唾液で柔らかくなるものを与えると危険性は少なくなりやすいです。
歯磨きガムを買う時・与える時の注意
では歯磨きガムを購入する時はどうやって選んだらいいのでしょうか。
- 体や口にあったサイズのものを与えること
- 所有欲が入りやすい子は大きめのものを!
- 原材料をしっかい把握しよう!
主にこの3点に注意して選んでみてください。
体や口にあったサイズのものを与えること
多くの商品には”小型犬用”、”中・大型犬用”などの表記があるかと思います。
初めて選ぶ時はそれを基準にするとわかりやすいです。
与えているうちに、その子の食べ方の癖や好みの大きさがわかってくるはずです。
表記はあくまで”目安”であり、全てにおいて正確ではありません。
最終的に購入の判断をする飼い主様の目利きが重要になってきます。
所有欲が入りやすい子は大きめのものを!
たまにいるのが、”ガムを与えておくと唸って近づけない”と言われる子たち。
与えられたものへの執着が強いが故に、そういった行動が起きてしまいます。
このパターンの子には、絶対にガムをあげっぱなしにしないこと!
反対側を持ったまま齧らせましょう。
適度なタイミングで”離させる→与える→また離させる”を繰り返すことによって「ガムは人から与えられる」ことを教えていくと改善されやすいです。
原材料をしっかり把握しよう!
歯磨きガムには何が使われているのか、どんな物が入っているのか、とても心配になりますよね。
ものによっては添加物や保存料が使われているものもありますので、心配な方は原材料も確認しておきましょう。
販売されている時点で、販売できるだけの基準はクリアしているということなので全て悪影響があるわけではないです。
ここに関しては飼い主様のこだわり次第になってきます。
原材料と嗜好性は必ずしも比例しません。
その子の好みを把握しておくことも良いかもしれないですね。
歯磨きガムを与えるのは必須?
歯磨きガムはとても便利なものです。
与えている方も多いかと思いますが、必ずあげなければいけないわけではありません。
口腔ケアは歯磨きでも十分可能ですし、むしろ歯磨きのほうが念入りにできます。
もちろん、手間もかかるので歯磨きを必ず!とも言いません。
今はガムではなくても、スプレータイプのケア用品も販売されているのです。
歯磨きは嫌がるけど、歯磨きガムなら大丈夫という子もいます。
犬との生活はガムを与えることだけではないので、ガムは必要に応じてうまく活用していけると良いですね。
まとめ
犬という生き物は前例があったとしても、体質や性格の違いからそのまま前例に当てはまるとは限りません。
身近な人から聞いた話などは全て鵜呑みにせず、その子に当てはめてよく考えてから実践してあげてください。
歯磨きガムも合う・合わないは必ずあります。
その原因も様々で、原材料が合わない、体質的に受け付けない、丸呑みしてしまう等…
周囲の体験談を愛犬へ応用できるように、普段からしっかり観察をしてあげてください。
時代が進んで、便利なケア用品もどんどん販売されていますが、その子に合うかどうか見極めるための、飼い主の目利きは必ず必要になってきます。
すべての犬たちが素敵なドッグライフを過ごせますように。