柴犬は抜け毛の多い犬種です。
皮膚がデリケートなこともあり皮膚トラブルを起こすことも少なくありません。
ここでは、特に換毛期に起きやすい皮膚のトラブルを中心に、換毛期以外でも起きる皮膚病の原因や対処法などを説明していきたいと思います。
換毛期はなんのためにあるの?柴犬の換毛期の役割とは?!
柴犬の被毛は、しっかりとした剛毛で皮膚を守るオーバーコートと、柔らかい毛で保温や保湿をするアンダーコートとの2層構造(ダブルコート)でできています。
そんな ダブルコートの被毛を持つ柴犬は、1年に2回、四季に合わせて春と秋に換毛期を迎えます。
春の換毛期には、温かいアンダーコートが抜け落ち、暑い夏に備えるのですね。
柴犬の換毛期に起きやすいトラブルとその原因
抜け毛が多い柴犬。
特に、換毛期には皮膚のトラブルも起きやすく、激しく体をかゆがったり、皮膚が透けて見えるほど毛が抜けてしまうなど、飼い主さんにとっては気がかりも多いのでは?
- 体をかゆがる
- 抜け毛が多過ぎる
換毛期の時期に多い、このようなトラブルの原因について説明しますね。
体をかゆがる
換毛期に抜けたアンダーコート(内側の柔らかい毛)がそのまま皮膚に残ると、毛玉のようにからまり湿気をおびて細菌が繁殖しやすくなります。
細菌が繁殖した皮膚は炎症を起こし、不快感から犬がかきむしることで皮膚が傷つき、更にかゆみが増してしまうのです。
抜け毛が多過ぎる
換毛期に毛が抜けるのは、犬の生理現象であり自然なことです。
抜け過ぎているように見えても、湿疹や炎症などがなく、アンダーコートだけがバランスよく全身から抜けているようなら心配はいらないでしょう。
しかし、「抜け過ぎて異常なのでは?」と心配する飼い主さんは少なくないようです。
YouTubeなどに、柴犬のブラッシングの場面を撮影した動画が上がっています。
「うちの子だけじゃなかった」「みんな、こんなに抜けるの?!」などの声もあり、見ると安心できるかもしれませんね。
柴犬の換毛期のスキンケアについて
皮膚のトラブルも少なくない換毛期ですが、できるだけ快適に過ごさせてあげたいですね。
そのために大切なのはブラッシングとシャンプーです。
基本的なケアを正しく行うことで、トラブルなく換毛期を乗り切ってくださいね!
- ブラッシング
- シャンプー
それでは効果的なブラッシングとシャンプーの仕方について説明しますね。
ブラッシング
換毛期には毎日のブラッシングで、抜けたアンダーコートを皮膚から優しく取り除いてあげることがなによりも大切です。
コームとスリッカーやラバーブラシなど、何種類かの道具を用意し、表面の毛ではなく地肌に近い毛のからまりを取り除くように行ってください。
ブラッシングの前に、蒸しタオルで抜けた毛や汚れを浮かしておくのも効果的です。
シャンプー
もともと柴犬には頻繁なシャンプーの必要はなく、逆に、シャンプーによって皮脂を取り過ぎると皮膚の保護作用を低下させる恐れがあります。
しかし、換毛期には抜け落ちたアンダーコートを一度にさっぱりと流し取ることができるシャンプーは、皮膚を清潔に保つために効果的です。
シャンプーの前にはブラッシングで汚れや抜け毛を浮かしておき、地肌までしっかりと濡らしてから泡立てたシャンプー剤で優しく洗ってください。
そして、すすぎ残しがないようにしっかりとすすぐことが大切です。
シャンプー剤が残っていると皮膚炎の原因になります。
換毛期以外でかゆがるとき!その原因は?病院を受診する必要はある?
柴犬が換毛期ではない時期にかゆがっていたら、病気が原因なのかもしれません。
皮膚の状態を確認し、赤みや湿疹などが見られたら早めに獣医師に相談してください。
- アレルギーと犬アトピー性皮膚炎
- 膿皮症
- ノミなどの外部寄生虫
それでは柴犬に多い皮膚病について説明しますね。
アレルギーと犬アトピー性皮膚炎
比較的若い頃(3歳位位まで)に発症することが多いようです。
人間のアトピー性皮膚炎と同じく、遺伝的に皮膚のバリア機能が弱く、アレルゲンに対して過剰に免疫反応が起こることでかゆみを繰り返す症状です。
対症療法としてはステロイド軟こうなどの外用薬や、症状に合わせた保湿などのスキンケアなども大切です。
膿皮症
皮膚にいる常在菌のひとつであるブドウ球菌が、異常に増殖することで湿疹ができる症状です。
内分泌系の疾患や間違ったスキンケアで肌が傷ついたことが原因になることもあります。
こじらせると皮膚が黒くなったり、独特の臭いがすることもあります。
ノミなどの外部寄生虫
室内飼いであってもダニやノミに感染する可能性は大いにあります。
ダニやノミに刺されることによってアレルギーを起こすこともありますので、獣医師の指示のもと、駆虫薬を正しく使うことで予防してください。
柴犬の体 かゆがる場所で分かる皮膚トラブルの原因とは?
柴犬が体の一部分を特にかゆがる様子が見られたら、皮膚病の原因を知るヒントになるかもしれません。
柴犬に多い皮膚病にはどんな特徴があるのでしょうか?
- 腹部や背中の毛が抜けてかゆがる
- 腰やおしりをかゆがる
- 顔の周りをかゆがる
特徴的なかゆがり方が見られたら、早めに獣医師に相談するなど適切な対応をしてください。
腹部や背中の毛が抜けてかゆがる
背中や腹部に湿疹ができ、脱毛も伴うかゆみは膿皮症の特徴です。
悪化すると毛穴と一致した湿疹が全身に広がることもあります。
腰やおしりをかゆがる
腰やおしりを激しくかゆがるのはダニやノミが原因の場合があります。
ダニやノミを見つけても決して指で潰さず、病院を受診してください。
顔の周りをかゆがる
目の周り、口の周り、耳などの顔周りをかゆがることが多いのはアトピー性皮膚炎が原因かもしれません。肉球や指の間に広がる場合もあります。
柴犬がかゆがるとき人間の薬は使えるの?
人間用の薬と犬用の薬は基本的には同じ成分が使われています。
しかし、人間用の薬は犬にとって効き目が強いため、皮膚病を悪化させてしまう可能性があります。
必ず、犬には犬用の薬品を使用してくださいね。
まとめ
柴犬の換毛期に起きる皮膚のトラブルには日頃のケアで防げるものがあります。
正しいブラッシングや栄養管理、ストレスをためない生活などで上手く乗り切りましょう!
しかし、換毛期に限らず湿疹や炎症ができたり、いつもと違うと感じたら早めに獣医師に相談してくださいね!
かゆみは辛いものです。
早めに原因を見つけ、適切な治療を受けることが大切です。