犬の健康に欠かせない歯磨き。
できれば毎日の習慣にして、愛犬の口の中をきれいに保ちたいですよね。
でも、そんな歯磨き中に「歯茎から血が出てしまった!」ということはないでしょうか?
見た目も痛そうだし、「もしかして歯磨きが逆効果!?」なんて不安になってしまいます。
そんな不安を少しでも解消するために、今回は
- 飼い主が気を付けておきたいこと
- 歯磨きガムを与えるときの注意点
について解説していきます。
犬の歯磨きで血が出る!飼い主が気を付けておきたいこと
まず、歯磨き中に出血してしまったときのために、また出血の原因や予防について、飼い主が気をつけたいことをまとめました。
- 犬の歯茎から出血した場合治す薬は市販で買える?
- 犬の歯茎や口から血が⁉元気だけど大丈夫なの?
- 犬は歯周病で歯が抜ける!血が出た場合に飼い主がするべきこと
- 歯磨きをしたことない犬は歯磨きで血が出やすい?歯磨きの代わりになることは?
- 犬の歯が痛い時の行動にはどんなものがあるのか
ひとつずつ解説していきますね。
犬の歯茎から出血した場合治す薬は市販で買える?
歯茎から出血した場合、その原因は歯周病であることが多いです。
ただ、中には口内炎や、歯が折れて細菌が入ってしまったことで血が出てしまっているケースもあり、色々な原因が考えられます。
歯周病の薬は市販されているものもありますが、たくさん種類があり、何を使ったらよいかを飼い主さんが判断するのは難しいもの。
正しい原因を判断して適切な対処をするために、市販の薬を使うよりもまずは病院に連れていきましょう。
犬の歯茎や口から血が⁉元気だけど大丈夫なの?
口から血が出てしまった!でも痛がる様子はなく元気そう・・・。
そんな時でも、歯茎からの出血はお口の中の異常のサインだと思ってください。
犬は痛いところや異常があっても、自分から言葉にして伝えることができません。
もし歯周病だった場合、次第に歯茎が腫れて痛む、出血が続くなどの症状が現れ、もっと悪化すると顔の表面の皮膚や顎の骨にまで影響が出てしまうことも!
飼い主さんがしっかりとサインをキャッチして、早めに対処してあげることが大切です。
また、血が出ていなくても歯茎が赤くなって腫れ上がっているときは、歯周病の可能性があります。
歯磨きの時など、普段から愛犬の口の中の様子を注意して観察してあげるようにしましょう。
犬は歯周病で歯が抜ける!血が出た場合に飼い主がするべきこと
歯磨き中に血が出る時は歯周病の可能性がありますが、人間と同じように犬にとっても歯周病はやっかいな病気です。
犬は歯周病になりやすく、とある研究では3歳以上の犬の80%が歯周病にかかっているという結果も出ています。
かかってしまった場合も早めに治療してあげられればよいですが、重症化してしまうと歯の根元がダメージを受けて歯が抜けてしまうことも!
血が出た場合は、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
病院では、主に歯石の除去や歯周ポケットのクリーニング、薬による治療が行われますが、症状によっては抜歯や歯肉(歯茎の肉)の切除などが必要になることもあります。
歯磨きをしたことない犬は歯磨きで血が出やすい?歯磨きの代わりになることは?
普段あまり歯磨きをしない、あるいはしたことがないという犬は、歯周病になりやすく血が出やすいと言われています。
食べかすや歯垢が歯や歯周ポケット(歯と歯茎のすき間の部分)に残ったまま放置されると、歯にくっついたまま固まって「歯石」という状態になります。
この「歯石」によって歯周病の原因となる細菌が口の中で繁殖しやすくなり、歯周病になる可能性が高くなってしまうのです。
中には歯磨きを嫌がってあまりさせてくれない犬もおり、代わりに歯磨きガムや歯磨き効果のあるおもちゃを噛ませている飼い主さんもいるのではないでしょうか。
ただ、歯磨きガムやおもちゃは歯の表面の歯垢は取れますが、歯と歯の間や歯と歯茎のすき間まではきれいにできないものが多く、歯のケア用品としてはあくまで補助的なものと考えた方がよいです。
基本的には、歯ブラシや歯磨きシートを使ってしっかりと歯磨きをしてあげたいですね。
犬の歯が痛い時の行動にはどんなものがあるのか
歯が痛い時や口の中が気になる時、犬はさまざまなサインを出しています。
よく見られる行動としては、
- ごはんを食べながら頭を振る
- 食事中に痛がって声を出す、食べづらそうにする
- 柔らかいフードばかり食べるようになる
- 普段やっている歯磨きを極端に嫌がる
- 口の周りを前足でさわる
- 地面に顔をこすりつける
- 噛む力が必要なおもちゃで遊ばなくなる
などが挙げられます。
他にも、
- 口臭がある
- 歯石がたまっている
- 歯茎が赤く腫れ上がっている
- 歯磨きで血が出る
などの場合には、歯や口の中で異常が起きている可能性があります。
飼い主さんはこれらのサインを見逃さないように、日頃から愛犬の様子をよく見てあげてくださいね。
犬用歯磨きガムの注意点について!血が出たり体調が変化したら…?
愛犬のストレス解消や歯のケアのために、歯磨きガムを与えている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
しかし、時には歯磨きガムによって歯から血が出てしまったり、与え方によっては体調が悪くなってしまうことも・・・。
ここでは、
- 犬に歯磨きガムをあげたら歯から血が!あげない方がいい?
- 犬に歯磨きガムをあげると肝臓によくない?
- 犬に歯磨きガムをあげると消化不良や下痢になることがある?
- 犬用牛皮ガムはちゃんとお腹の中で溶けて消化される?
- 犬用ガムを丸呑みすると腸に詰まる腸閉塞や呼吸困難になる可能性がある
これらについて解説していきます。
犬に歯磨きガムをあげたら歯から血が!あげない方がいい?
噛んだ後の歯磨きガムに血がついている!
こんなことがあったら、飼い主さんはびっくりしてしまいますよね。
歯磨きガムを噛んでいる時の出血の原因の多くは、歯磨きの時と同じく歯周病だと言われています。
歯周病によって炎症が起きた歯茎から、出血してしまっているんですね。
血が出てしまった時は、まずはガムを与えるのはやめて、口の中の様子や愛犬の行動をよく観察してみましょう。
歯周病かな?という疑いがあれば、早めに獣医さんの診察を受けることをおすすめします。
犬に歯磨きガムをあげると肝臓によくない?
犬の肝臓がダメージを受ける原因はさまざまで、「歯磨きガムが肝臓に悪い」とは一概には言えません。
ただ、歯磨きガム以外の食事やおやつなども含めて、摂取する栄養素のバランスが悪くなっている場合は注意が必要です。
特定の栄養素を多くとりすぎている、あるいは不足していると、肝臓に負担をかけてしまいます。
また、歯磨きガムに含まれている添加物も、肝臓によくない場合があるようです。
一方、歯周病になってしまった場合は、細菌が歯茎の血管から体内に入り込んで肝臓の炎症を引き起こすことがあります。
バランスの取れた食生活を心がけて、歯のケアもしっかりできているのが理想ですね。
犬に歯磨きガムをあげると消化不良や下痢になることがある?
歯磨きガムは、基本的には犬が食べてしまっても健康に問題がないように作られているので、大きな心配はいりません。
ただし、ガムを大きなまま丸呑みしてしまうのはとても危険です。
ガムを丸呑みすると胃や腸で消化しきれず、消化不良から食欲がなくなったり、下痢やおう吐などにつながる場合があります。
犬用牛皮ガムはちゃんとお腹の中で溶けて消化される?
牛皮ガムとは、その名の通り牛皮を原料に使ったガムで、歯磨きガムとして一般的に多く販売されています。
実はこの牛皮ガム、細かく切れた状態で飲み込めばまだお腹の中で消化できることもあるものの、大きいまま丸呑みしてしまうと、消化しきれないことがあります。
その結果、ガムが胃の中に溜まってしまったり、腸に詰まって体調を崩してしまうことも・・・。
牛皮のガムを与えるときは、丸呑みしないようにすぐ近くで様子を見るか、ガムの端っこを飼い主さんが手で持ったまま噛ませるようにしましょう。
犬用ガムを丸呑みすると腸に詰まる腸閉塞や呼吸困難になる可能性がある
ガムを丸呑みした場合は、腸閉塞や呼吸困難になってしまう危険もあります。
腸閉塞とは、消化しきれずに腸まで届いてしまったガムが腸に詰まってしまっている状態のことで、ガムを丸呑みしてから数日後に急に発症することがあり、早急な治療が必要になります。
ガムが喉や食道付近に引っかかったり、詰まってしまった場合には、呼吸が邪魔されてとても苦しい状態になってしまいます。
ガムを与える場合には、丸呑みしないよう十分に注意してあげましょう。
まとめ
愛犬の歯から出血してしまった、歯磨きガムの与え方が正しいのかわからない・・・そんな飼い主さんに向けて解説してきました。
人間の場合、歯や口の中の健康状態は体全体に影響すると言われていますが、犬にとってもそれは同じです。
飼い主さんとしては、日々のスキンシップの中で細かく様子を見てあげたり、早めに歯磨きに慣れてもらってしっかりとケアをしていくことと、何か異常があったらすぐに獣医さんに相談することが大切です。
大好きな家族である愛犬が、長く健康に過ごせるために、ぜひお口をきれいに保ってあげてくださいね。