犬は、長年ペットとして人間と生活を共にしています。
なぜ犬が、こんなにも長く人間と生活を共にしてこられたか?
それは、犬が人とコミュニケーションをとる事ができ、一度生活を共にすると、信頼関係が強く結ばれるからです。
また、犬は寿命も長く、ペットという枠を越え、家族の一員になります。
そんな愛犬がいつも以上に皮膚をかいて、痒そうにしている。
皮膚を見ると赤くなっている。
何かの病気か?と不安になりますよね?
犬が痒そうにしていて、皮膚が赤い!
症状や原因によっては家で対処できる場合もあります。
これから犬の皮膚病の原因や症状、予防と対処法をご紹介します。
犬は皮膚トラブルを日常的に起こしやすい
アイペットの保険金請求データによると、犬の保険金請求が多い傷病ランキング1位が皮膚病です。
この調査は1~7歳の犬を対象としたもので、0歳のランキングでは皮膚病は3位でした。
なぜ犬の皮膚はこんなにもデリケートなんでしょう?
- なぜ皮膚トラブルはおきるのか?
- かゆみをともなう皮膚トラブル
分かりやすく、一つずつ説明していきます。
なぜ皮膚トラブルはおきるのか?
犬は短毛~長毛など様々な種類の犬種がいます。
また、毛質もさまざまです。
長毛の犬は短毛の犬と比べ、温度や湿度によって蒸れやすく、蒸れた状態が続くと、カビや細菌が増殖し、皮膚トラブルにつながりやすくなります。
赤みや湿疹があっても、長毛で皮膚が見えずらく、発見が遅れる事も多いです。
犬には運動がかかせません。
犬種によっては、室内の運動だけでも運動量が足りる犬もいますが、ほとんどの犬には散歩が必要です。
散歩中、ノミなダニなどの虫が寄生し、そのまま連れ帰ってくる事もあります。
犬はストレスを感じやすく、ストレスを感じると体をかいてしまう犬もいます。
その他にも、いつも与えているエサを変えた場合には、その中の何らかの成分に対し、アレルギー反応をおこし、かゆみや赤みの症状が出る事もあります。
かゆみをともなう皮膚トラブル
犬の体が蒸れた状態、虫が寄生していることもあります。
ストレスを感じていたり、食べ物で何らかのアレルギー反応を起こしている時も、かゆみをともなう事があります。
人間もお風呂あがりや、スポーツで汗を流した状態のままでいると頭皮がむれます。
その状態のままでいると、頭皮がかゆくなる事があります。
蚊や虫にさされたり、ストレスで体に湿疹がでたり、かゆくなったりする事もあると思います。
肌トラブルが起きている犬も、人間のその状態と同じなのです。
皮膚トラブルを起こさないための家庭での予防対策
犬と生活を共にすることは、犬の皮膚トラブル、皮膚病とも長く付き合っていく必要があります。
時として重症化してしまう事もある皮膚病ですが、家庭で予防、対策できる事もあります。
- 環境
- 食事
- 観察
上記の3つで予防できる皮膚トラブルもあります。
すぐにできる事もあるので、ひとつずつ説明します。
環境
ストレスによって皮膚トラブルが起きることもあるので、愛犬がストレスを感じない環境作りがとても大事です。
留守中はケージでお留守番!
というご家庭は多いと思いますが、帰宅したら、愛犬をケージから出しコミュニケーションをとる時間が必要です。
犬は飼い主と遊ぶ事が大好きです。
ボールなどのおもちゃを使って一緒に遊んであげる事で、運動させながら、コミュニケーションをとる事ができ、ストレス発散にもつながります。
犬は外に出かけるのも大好きです。
散歩に連れていくと、とても喜んでくれます。
気分転換と良い運動になります。
また、ケージ内の清掃や、愛犬が使っている犬用ベッドの洗濯も大切です。
ベッドなどが不衛生な状態のままだと、皮膚トラブルをおこし、赤みやかゆみの原因になるので、清潔に保ちましょう。
食事
犬は雑食だ!という人もいますが、アレルギーをもった犬は多いです。
いつもと違うエサやおやつを与えた後は、愛犬の様子に変わりがないか、観察する必要があります。
「犬はかゆがっていないけど、皮膚が赤くなっている。」などの症状もあります。
気づいた時には、かなり悪化していた…という事にならないように、しっかりと観察し、初期症状を見落とさないようにしましょう。
観察
パッとみて、皮膚の炎症、赤み、湿疹、などを確認できる犬もいますが、長毛の犬などは確認しづらいです。
ブラッシングの際、愛犬の皮膚に赤みなどないか、確認してあげましょう。
ブラッシングをおこたると、毛玉ができます。
毛玉が沢山できてしまうと不衛生な状態になりやすいので、ブラッシングはとても大切です。
皮膚トラブルが起きてしまった時の応急処置・対処法
症状が軽度であれば、散歩などに連れていって気分転換をさせましょう。
ケージや使っている、マットやベッドは汚れてないか?
確認し、必要であれば洗濯してきれいにします。
犬自身もお風呂に入れて皮膚を清潔にしましょう。
お風呂にいれたら、しっかりとシャンプーを洗い流します。
シャンプーがのこっていると、かゆみ、赤みなどの皮膚トラブルにつながります。
毛もしっかりと乾かす事が大切です。
皮膚が赤い・又はピンク色・できものができる原因
虫にさされたりすると皮膚が赤くなり、できものができることがあります。
アレルギー反応、アトピーも皮膚が赤くなる原因です。
もともと赤みはなかったけれど、かいたことで、赤くなる事もあります。
皮膚を不衛生にしていると、赤やピンク色をともなう炎症や、できものができやすい環境になってしまします。
犬も人間同様、ニキビ、アトピーなどを発症します。
毛が抜ける原因
犬には、病気以外にも換毛期があり、春と秋には、普段より毛が抜けやすくなります。
老化で毛が抜ける事もあります。
毛が抜け、皮膚がみえる場合は脱毛症であったり、フケや臭い、赤みがあったりしきりにかいている等の症状がある場合は病気の可能性があります。
犬が体をかく・痒がるのは皮膚トラブルだけじゃない!?
犬が体をかいたり、赤みがあったり、皮膚になんらかの炎症があっても皮膚が原因のトラブルではないこともあります。
免疫や甲状腺機能低下など、内因的な原因である場合もあり、獣医に診てもらう必要があります。
遺伝性の場合かゆみをともなわない事が多いです。
フードアレルギーについて
犬のフードアレルギーの主な原因はたんぱく質です。
たんぱく質と言っても、玉子や牛肉、鶏肉などさまざまな物がフードには入っています。
愛犬が何のアレルギーをもっているか知る為にも、早めに血液検査を行い、把握している事も必要です。
アレルギー対策のフードも沢山あるので、把握していると対策可能です。
ストレスと皮膚トラブルの関係性
犬は何らかのストレスを感じ、皮膚をかいてしまうことがあります。
初めは軽度でも、ストレスが大きくなるにつれ、かきむしり肌が赤くなります。
かいてキズになってしまったり、そこから細菌が入ったり、悪化する事につながります。
ストレスを甘くみてはいけません。
シャンプードライの重要性
犬のシャンプーの目安は月に1~2回といわれています。
頻度が多いと皮膚が乾燥してしまい、かゆみの原因になる事もあります。
少ないと、毛や皮膚についた汚れが増殖してしまい、皮膚にかゆみ、赤みなどの症状が出やすくなります。
シャンプーを行う際も、しっかりと泡をたてて優しく洗います。
シャンプー後は、しっかりと洗い流し、ドライする事で皮膚トラブルの予防になります。
皮膚病・皮膚炎の見極め方
犬の皮膚病、皮膚炎の見極め方は、
- 皮膚が乾燥しすぎてないか、フケやかさぶたはないか?
- 臭いはないか、脂っぽくはないか?
- 脱毛はないか?
- 赤みや湿疹、できものはないか?
これらについて、しっかりと観察しましょう。
症状は軽度のものから重度なものまで様々です。
皮膚トラブルを起こしやすい犬種
ボルゾイ、フレンチブルドッグ、ダルメシアン、シーズー、シャーペイ、パグ、ウエストハイランド、アフガンハウンド、柴犬は、皮膚トラブルを起こしやすいと言われています。
短毛であっても、湿疹をおこしやすかったり、パグ、ブルドッグなどはシワの間に汚れが溜まり、炎症を起こしてしまうケースもあります。
治療法と注意点
犬の皮膚トラブルは完治できるものと、完治出来ないものがあります。
完治できるトラブルのほとんどは、虫が原因でおきている炎症です。
原因が病気などの内因的なものは、すぐに完治させるのが難しいこともあります。
その場合は、症状の悪化を防ぐ治療を行います。
皮膚病は、症状からすぐに原因が判断できるものもあれば、複数の要因があったりと、判断が難しい場合もあります。
適切な判断の為にも、飼い主は日頃から観察が大切です。
市販で購入可能な薬
ペットショップ、ホームセンター、通販など様々な場所で購入可能です。
軟膏やシャンプーが多く販売されています。
ペットショップの店員にアドバイスをもらって購入を検討する事もあると思います。
ペットショップの店員は専門家ではないことが多いです。
初めての購入や使用前には、一度獣医に相談する事をおすすめします。
まとめ
犬の皮膚トラブルはほとんどの犬種で発症する事がある病気です。
犬の傷病の中では1位の皮膚病ですが、家庭でしっかり予防する事で防げるトラブルもあります。
重症化させない為にも、日頃からの観察がとても大切です。