目の周りの毛が涙で濡れて変色してしまう「涙やけ」
愛犬の涙やけが気になる飼い主さんは多いのではないでしょうか?
我が子をキレイにお手入れしてあげたい親心ってありますよね。
また涙やけ自体は美容上の問題であるものの、重大な目の病気が隠されていることもあると言われています。
犬の涙やけが治らない場合に考えられる原因や改善方法についてご紹介します。
犬の涙やけが治らない!考えられる原因について
なんらかの原因で涙があふれてしまうことを流涙症と言います。
涙やけは、流涙症で目の周りが赤茶色に変色してしまう症状です。
透明な涙が酸化して赤茶色になったり、菌が増殖したりして涙やけを引き起こします。
- 犬の涙やけの原因とは?食事やタンパク質の問題について
- 片目だけ涙が出る・涙やけがある場合に考えられることとは
- 子犬の涙やけはいつごろ改善される?
原因を探っていきましょう。
犬の涙やけの原因とは?食事やタンパク質の問題について
涙があふれる流涙症の原因として考えられるものには
- 涙の通り道に異常があって鼻に排泄されない
- 食べ物・ノミ・花粉・ハウスダストなどのアレルギー
- 食事や生活習慣
- まつ毛の生え方などのトラブル
- マイボーム腺の機能の低下
などがあるようです。
涙が鼻から排泄される時に通る「鼻涙管」が狭かったり詰まったりする「鼻涙管閉塞」という病気が考えられます。
涙の排出口である「涙点」という穴が生まれつき無かったり、狭くなっていることもあるようです。
ホコリなどの異物・歯の汚れやその他の常在菌による細菌感染から、涙をためる「涙囊」や鼻涙管に炎症を起こす「涙囊炎」や鼻の炎症も考えられます。
アレルギーによっても角膜に傷がつき炎症を起こして涙が止まらなくなるようです。
割と多い原因として高脂質・高タンパク、添加物の多い食事があげられています。
臓器に負担がかかったり消化不良を起こすことで老廃物がたまり、鼻涙管が詰まる・涙がドロドロになるようです。
また子犬の頃はなかったのに成犬になって涙やけの症状が現れてきた場合は特に、生活習慣病のような原因が考えられるとも言われています。
水分不足・運動不足も代謝が悪くなって涙やけにつながるようですし、ストレスにも気をつけてあげてくださいね。
まつ毛の生え方の異常でまつ毛が目にあたって涙が止まらなくなり、涙やけを引き起こすこともあります。
まぶたが内側に反ってしまう「眼瞼内反症」の場合も、まつ毛が目にあたってしまうので涙やけを起こしてしまうかもしれません。
まぶたの裏にあるマイボーム腺の機能が加齢やホルモンバランス・細菌感染によって低下し、涙が目の表面に保たれず流れ落ちてしまう「マイボーム腺機能不全」も考えられるようです。
目の周りの筋肉がまだ発達していない若い間は異常がなくても涙があふれることがあり、この場合は成長とともに治ります。
片目だけ涙が出る・涙やけがある場合に考えられることとは
犬の片目からだけ涙が出ている・涙やけがみられる場合には、何かにぶつかった・異物が目に入った・逆さまつげ・角膜に傷がついているといったことが考えられます。
また細菌感染による炎症の場合、片目にだけ発症することが多いため涙やけも片目だけのことが多いようです。
まぶたに炎症が起こる眼瞼炎・結膜炎や角膜炎も考えられます。
放置しておくと失明する恐れがあるものや、他のトラブルを引き起こすものもあるので獣医さんに相談するようにしましょう。
子犬の涙やけはいつごろ改善される?
顔の骨格の成長が止まり成犬になれば流涙症も落ち着くことがあるので、成犬になれば涙やけが改善されるかもしれません。
涙やけが特に見られる小型犬の場合、成犬になるのは10ヶ月~1歳頃と言われています。
また目の周りの筋肉は2~3歳ごろに発達が完了するそうなので、成犬になっても2~3歳になるまでは涙やけが見られる場合もあるかもしれません。
ただし病気や異常がない場合の話なので、まずは異常がないか獣医さんに相談してみるといいかもしれません。
犬の涙やけを治す方法とは?改善方法にはどんなものがある?
犬の涙やけを改善するには原因を知って、それに沿ってケアをする必要があります。
病気や炎症・まつ毛の生え方の異常が原因の場合には、病院での治療が必要になるでしょう。
アレルギーが原因の場合には、アレルギーの特定とその治療や対策が必要です。
しかし涙やけをそのまま放っておくと、いつも濡れていることで細菌が繁殖し皮膚炎も引き起こしてしまいます。
- 犬の涙やけを病院で治療する【薬や鼻涙管閉塞の手術やその費用】
- 犬の涙やけに市販のケア用品を使う【涙やけクリーナー・涙やけ除去剤など】
- 犬の涙やけを体の中から改善する【サプリやフード】
- 犬の涙やけに使える人間用の製品【ワセリン・コラージュフルフル】
お家でもできるお手入れ方法もあります。
愛犬にあったものを探してみましょう。
犬の涙やけを病院で治療する【薬や鼻涙管閉塞の手術やその費用】
鼻涙管が詰まっている場合、外側からのマッサージを行うことができます。
しかし、麻酔をかけてカテーテルを通して洗浄するという処置でないと詰まりが取れないこともあるかもしれません。
鼻涙管が完全に閉塞していたり、生まれつき涙点がない場合には手術が必要になるようです。
異物を取り除いたり、感染や炎症や角膜の傷に対して点眼薬や軟膏・内服薬での治療が行われます。
診察や検査に5000円~2万円程度・投薬治療に2000円ほど・洗浄に1万円~2万円程度・外科手術に3万円~5万円程度の費用が必要のようです。
犬の涙やけに市販のケア用品を使う 【涙やけクリーナー・涙やけ除去剤など】
お家でできるお手入れの方法として、こまめに優しく涙を拭き取ってあげることがとても大切です。
カチカチに固まってしまっている場合には蒸しタオルでふやかして取り除きやすくしてください。
拭き取る時にはティッシュやコットンなどを使うことができますが、水道水で濡らして使うことはあまりお勧めできないようです。
市販の涙やけクリーナーといったケア用品にはお肌に優しいものや抗菌効果が期待できるものもあるので使ってみるといいかもしれません。
涙やけのケア用品を選ぶ際には、なるべく無香料のもの・漂白剤の入っていないものを選ぶようにしましょう。
普段香り付きのボディシートを使っていて問題ないとしても、鼻に近い場所に使用することを考えると無香料タイプを選ぶのが無難のようです。
すでに赤茶色に変色している毛を脱色するために漂白剤の入ったケア用品もあります。
しかしすでに色がついてしまっている場合、薄くすることはできても完全に消すことはできないそうです。
薄くできるだけでも魅力的かもしれませんが、刺激の強いものなので長期的な使用を考えると安全面に不安があると言えるかもしれません。
涙で漂白成分が口あたりまで流れ、舐めてしまう危険も考えられるでしょう。
涙やけのケア用品にはローションタイプやシートタイプがあります。
試してみて使いやすいものを見つけてくださいね。
犬の涙やけを体の中から改善する【サプリやフード】
犬の涙やけの原因が食べ物にあったという飼い主さんは少なくないようです。
フードやおやつを一度見直してみることをオススメします。
アレルギー反応はドッグフードに対しても出ることがあるので、愛犬にあったフードか今一度チェックしてみてください。
フードやおやつを選ぶ際には、タンパク質・脂質が高くないもの・添加物のなるべく少ないものを選ぶようにしてみましょう。
タンパク質は多くてもダメですが、少なすぎても体によくないので愛犬の様子を観察しながら配分を考える必要がありそうですね。
手作りご飯というのもいいかもしれません。
サプリは涙やけを完治させるものではないですが、涙やけの悪化を防いだり症状を緩和するのに役立ちます。
目の健康をサポートする・腸内環境を整える・酵素が配合されているサプリが効果的のようです。
犬の涙やけに使える人間用の製品【ワセリン・コラージュフルフル】
人間用の製品であるワセリンやコラージュフルフルという液体せっけんが、犬の涙やけのお手入れや予防に役立つと言われています。
ワセリン自体に涙やけを治す効果があるわけではないようです。
しかし水を弾いて毛が涙で湿ることを防いで細菌の繁殖を抑えたり、皮膚の保湿効果で乾燥から保護してくれることで涙やけの改善に効果が期待できると言われています。
ワセリンは天然由来の製品で匂いもないので、犬にも安心して使えるようです。
赤ちゃんにも使われる精製度が高く不純物の少ない白色ワセリンだと、愛犬にもより安心して使えるかもしれませんね。
コラージュフルフルは
- 50ccの水にコラージュフルフルを2~3滴たらして混ぜる
- 上記のコラージュフルフル水をコットンに含ませて、目元を拭く
- 蒸しタオルや濡れタオルで洗剤を落とす
- 乾いたコットンでマッサージするように拭いて乾かす
という手順でお手入れをするようです。
安心して使えるもののようですが、中には皮膚に合わない子もいるそうなので様子を見ながら試してみてくださいね。
【犬の涙やけ】マッサージでケアする方法とその他の対策
犬の涙やけの改善に有効な方法が他にもあるようです。
- マッサージで改善?鼻涙管マッサージとは
- 犬の涙やけを目立たなくさせるカット!?
注意点とともに見ていきましょう。
マッサージで改善?鼻涙管マッサージとは
鼻涙管が詰まって涙が鼻に抜けずあふれ出てしまう場合、鼻涙管マッサージで改善されることもあるようです。
指の腹で、目の周りや鼻先を優しく撫でるようにマッサージします。
力を入れすぎないように気をつけてください。
目から鼻先(鼻涙管)の上やまぶたの上に温かいタオルを当ててあげるのもいいそうです。
動画もあげられているのでチェックしてみるといいかもしれません。
マッサージはすぐに効果があらわれるわけではないので、根気強さが必要です。
ですがスキンシップにもなるので、愛犬が嫌がらないようなら試してみてください。
とはいえマッサージで改善されないこともあり、その場合もっと大きな病気が関係していることもあります。
症状が改善されないなら、獣医さんに相談するようにしてください。
犬の涙やけを目立たなくさせるカット!?
目の周りの毛をカットすることで、目に異物が入るのを防ぐことができます。
しかし目を傷つけてしまうことがあるので、トリミングサロンに頼むようにしてください。
すでに変色してしまった部分は元に戻らないので、カットしてあげることが最適のようです。
カットするたびに徐々に生え変わっていくので涙やけが消えていくというわけですね。
あとはこまめなケアを心がけるようにしましょう。
また涙やけをおこす根本的な原因の改善も忘れないようにしてください。
まとめ
犬の涙やけの原因や様々な改善方法についてご紹介しました。
涙やけの原因には色々考えられるので、愛犬になぜ涙やけができているのかを特定するには時間がかかるかもしれません。
病気が隠れていることもありますが、そうでなかったとしても涙やけやその原因を改善できればきっと、愛犬はより気持ちよく生活できるでしょう。
獣医さんにも相談しながら、愛犬の涙やけ改善に取り組んでみてください。
愛犬の顔がきれいになって、表情も明るく見えてくるといいですね。