「災害が起こった時、犬との避難はどうすれば良いの?」
「避難所で、犬に必要なものって一体なんだろう?」
飼い主さんは、こんな不安を抱えていませんか。
もしかしたら迷子になるかもしれない、避難所でトラブルになったらどうしよう…など、災害時の事を考えると、ついついネガティブ思考になってしまいます。
ペットや犬を連れての避難には、抑えるべき「要点」がいくつかあります。
常日頃から準備しておく避難道具や、避難方法も様々です。
ですが予め準備することで、救える犬の生命があることだけは確かです。
本記事では、そういった飼い主さんたちの不安を、徹底解消していきます。
犬の防災に必要なものは?ガイドラインもチェックしておこう!
まずは防災から始めましょう。
防災に必要なのは、事前準備と事前知識です。
- 飼育環境を再点検しよう!
- 避難グッズの事前準備は必須
- 避難場所の事前リサーチ
- 地元自治体の災害ガイドライン(決まり事)の周知
この4つを元に、説明していきます。
飼育環境を再点検しよう!
まず飼育環境が、内飼いか外飼いで判断が分かれます。
内飼いの場合は、耐震性の高い家なら1階、低い家は2階に飼育環境を移します。
前者は地震の際に脱出しやすく、後者は家屋倒壊の際、生き埋めにならないためです。
家の耐震性や築年数で判断しましょう。
外飼いの場合は、ブロック塀などの近くに、犬小屋やサークルフェンスを設置しない、ガラス窓の間際で、飼育しないなどの配慮が必要です
避難グッズの事前準備は必須
災害はいつ起こっても、おかしくありません。
以下の製品を、両手が空くリュックサックに入れて準備しましょう。
- 餌と水(5日間分以上)
- 食事用のお皿
- 予備の首輪、リード(隙間がなく伸縮しないもの)
- 薬、療法食(持病がある場合)
- ガムテープ(キャリー・クレート破損時に使用)
- 迷子札(ペット・飼い主の名前、住所、緊急連絡先)
- ペットの写真(スマホでもOK)
- ペットシーツ
- ビニール袋(各サイズ)
- ワクチン・既往症・持病のメモ
- タオル
避難場所の事前リサーチ
各自治体には地域ごとに必ず、広域指定避難所が設定されています。
まずはご自宅が、どの避難所に指定されているか確認しましょう。
その避難所には、犬猫のペットなども連れて行けるか、市役所などに確認してください。
地元自治体の災害ガイドライン(決まり事)の周知
市区町村によっては、独自の「災害ガイドライン」 を作成しているケースがあります。
その中には、一時預かりボランティアなど、有益な情報も記載されています。
手続き方法なども載っていますので、ホームページや電話等で確認しましょう。
また、環境省がまとめた「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」が、Web上で公開されています。
是非ご覧になってください。
避難訓練をしよう!キャリーやクレートに慣れておくのも大事
クレートとは、簡単に言うと犬の寝床やキャリーにもなる、屋根のついたケージの事を指します。
クレートを好む犬は多く、災害時などの避難など、いざという時に重宝します。
種類も「折り畳み式」「布地調のゆったり感」「頑丈な金属補強」など、個性的なものが多く、犬の好みに柔軟に合わせられます。
キャリーは文字通り、「犬を持ち運ぶ」ためのケージです。
災害時には、犬が好きな方を選びましょう。
キャリーの方がやや利便性は落ちますが、犬の気持ちを尊重して下さい。
実際の避難に役立つ
- キャリー・クレートに慣れてもらう
- 避難場所への道のりを確認する
この二点について説明します。
キャリー・クレートに慣れてもらう
日頃から、お出かけの際や、おやすみの寝床として使ってもらい、充分慣れさせます。
キャリーについても同様です。
こうすることで、犬は避難所生活のストレス・不安を払拭できます。
避難場所への道のりを確認する
簡単に言うと避難訓練です。
実際に、犬にキャリー・クレートに入ってもらいます。
落ち着いていられる距離か、危険物がないか、犬と一緒に確認しましょう。
愛犬が迷子!その対策方法とは?
災害時の混乱で犬とはぐれてしまう、犬が迷子になってしまう。
実際に、東北大震災では、このような出来事が多数起こりました。
愛護団体に救出され、飼い主の元に無事戻れた犬には、ある共通点がありました。
実際のケースを踏まえ
- マイクロチップの埋め込み
- 迷子札を作ろう!
- 飼い主さんネットワークに頼ろう
これらの迷子対策をお話します。
マイクロチップの装着
少しかわいそうですが、犬の皮下にカプセル状のマイクロチップを、注射で埋め込みます。
15桁の世界唯一の番号が記録されていますので、読み込むだけで自分の愛犬かどうかが、一瞬で確認できます。
迷子札を作ろう!
カードなどに「犬の名前」「飼い主名」「住所」「連絡先」などを記入し、ラミネート加工します。
それを首輪にぶら下げる、一般的な方法です。
飼い主さんネットワークに頼ろう
日頃から、ご近所の犬友達を作っておきましょう。
犬好きな方は、よその犬も見分ける鋭い観察眼があります。
犬を中心とした、飼い主さんネットワークは、相当頼もしいですよ。
避難所のペットトラブルを避けるには?同行避難・同伴避難についても
災害が起こるたび耳にするのは「ペットの邪魔者扱い」です。
心が痛いのですが、集団生活である避難所では、迷惑をかけない環境が求められます。
犬アレルギーを持つ人には、そばに犬がいる状況は、かなり苦しいですよね。
そんなトラブルを避けるには、どうするべきなのか。
- 「同行避難」「同伴避難」を理解しておく
- 避難民の方に迷惑をかけない配慮とは?
- 犬の健康・こころに気を付ける
- 車内避難の注意事項
この4つを挙げて、ご説明します。
「同行避難」「同伴避難」を理解しておく
同行避難も同伴避難も、犬を連れて一緒に避難するまでは、同じです。
ただ同行避難の場合は、避難所で犬と過ごせるかが分かりません。
決めるのは、市区町村や避難所の判断なんです。
避難所に入れないケースでは、犬を一時預かりするボランティアさんや、動物愛護団体などがいるので、そこに依頼することを検討します。
一方、同伴避難の場合は、飼い主と犬は、避難所でも一緒に過ごせます。
どちらが良いのかは、単純に判断できるものではありません。
ただ、ご自宅の場合はどうか?を前もって調べておく必要があります。
避難民の方に迷惑をかけない配慮とは?
先ほど話したように、たくさんの人が集まる避難所には、ペットアレルギーや犬が苦手な人もいます。
鳴き声や匂いなど、周りに迷惑をかけないように注意しましょう。
犬の健康・こころに気を付ける
人間と同様に、犬も慣れない環境や突然の災害に憔悴しているはずです。
犬の支えは飼い主さんです。
飼い主さんも辛いでしょうが、グッと抱きしめたり、優しく声掛けし、落ち着かせてあげて下さい。
車内避難の注意事項
中には、「どうしても犬と過ごしたい」と言い、車内で過ごす人もいます。
これは、非常に危険な行為です。
もしそうしなければならない場合は、窓は開けっ放しにし、必ず換気をしましょう。
また、犬を車内に残し、1人だけで出掛けないで下さい。
そのまま迷子になったり、最悪熱中症で死んでしまいます。
車内避難する場合は、犬とは絶対に離れてはいけません。
まとめ
今回は、災害にあった際、愛犬はどうすればいいのか、どんな方法があるのかなどについて、かいつまみながら、ざっくりとお話しました。
災害は本当に、突然やってきます。
これを見た飼い主さん!避難の用意だけは、すぐにそろえてあげて下さいね。