災害発生時、水道やガス・電気などのライフラインが止まってしまい、犬のための飲料水の確保が難しくなることがあります。
被災した場合は人命救助が最優先のため、犬への支援が遅れることが予測されます。
そのため被災した場合は日頃から飼い主が愛犬のために対策しておくことが大切です。
まずは生きるために欠かせない水について、どうすれば災害時に困らないのか考えてみましょう。
災害時に愛犬の飲料水はどれくらい用意すべき?1日に必要なお水の量は?
持病などない健康な犬であれば、犬の体重の10%前後が飲料水として必要です。
ただし、1日に必要なお水の量は、気温や体重、病気の有無や食事がドライかウェットかでも変わってきます。
普段は健康な犬であれば、自分で必要な量を飲んでいます。
普段の生活でどのくらい飲んでいるのかよく観察してみてください。
また、持病などで正確な量を知りたい場合は、かかりつけの獣医師に相談しておきましょう。
ペット用に災害時に備蓄すべきお水の量とは?
ペットと一緒に行ける避難所がすぐ近くにあったとしても、ペット用の物資が届くには時間がかかる場合があります。
健康な犬の場合は、3日~5日分の備蓄があると安心できます。
療法食などの特別な犬の場合は、できれば7日以上の備蓄があると安心です。
備蓄するお水の保管方法!ローリングストックしてみよう
大切な愛犬にはどんな状況でも、新鮮な水を飲ませてあげたいものですよね。
備蓄として別に保管しておいて、いざ飲むときに賞味期限切れが起きて飲めないなんて事がおきないよう注意しましょう。
では、そうならないようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
オススメは、ローリングストックという備蓄方法。
ローリングストックとは、普段から多めに買って用意しておき、使った分だけ補充するといった備蓄方法です。
かさばる水も普段から多めに保管しておけば、新鮮さを保てますし、いっきに数日分を買い替える必要がなくなります。
人間用の飲み水・保存水は飲んでいい?
それでもわざわざ備蓄場所を取るのは難しい、なんてこともありますよね。
災害時に飼い主と同じ水を飲めたら、少しは保管場所の困りごとが解消するかもしれません。
そういった場合は、災害時の備蓄用として
- 軟水
- 超軟水
を選んで備蓄しておきましょう。
犬にミネラルウォーターをあげても大丈夫?
健康な犬であれば、ミネラルウォーターをあげても大丈夫です。
しかし注意しなければならないのが、水の硬度と持病を抱えている犬の飲料水です。
水に含まれるミネラルは、カルシウムやマグネシウムなど。
一見良さそうイメージがありますが、犬にとってはこれらのミネラルが多すぎると尿結石症の原因になってしまいます。
水のラベルなどの表記に、「軟水」か「超軟水」という記載があるミネラルウォーターであれば、犬にあげても問題はありませんので、確認してみてください。
災害時にオススメな犬の飲み水・保存水!犬には軟水を選ぼう
平常時にも災害時にも安心して飲める水は、「軟水」か「超軟水」。
それらを選んで備蓄しておきましょう。
大きな災害時には、停電が長く続くことがあり、冷蔵庫も冷暖房も使えない日が続きます。
食中毒を防ぐために、出来れば500mlのペットボトルなど、その日のうちに飲み切れる量で保管しておくことがオススメです。
犬が飲んでいけない飲み水!硬水や炭酸水は避けた方がいい
犬は人間と違うので、家族同様に愛していても、飲ませるには注意が必要な水があります。
- 硬水、海洋深層水・・・硬度が120㎎/Lを超える水。マグネシウムが多いものは尿結石症の原因に繋がります。
- 炭酸水・・・砂糖が入っていない炭酸水ですが、炭酸ガスでお腹が膨れてしまい、お腹が一杯と勘違いしてしまい必要な水分・食事が取りずらくなってしまいます。
- 炭酸飲料、フレーバー水・・・砂糖や甘味料入っているので、水分補給には適していません。
- 井戸水、水たまりの水・・・寄生虫がいたり病気の原因になる可能性があります。
災害時に犬が飲みやすい容器選び
犬が水を飲むには舌を水中深く入れ、素早く舌を引き上げて水柱を作りそれを飲んでいます。
ですので、犬にとって飲み水の容器はなるべく深い器の方が飲みやすいです。
- いつものお散歩用の給水器
- シリコン製の折り畳みボウル
これらがあると安心ですので、簡単に説明しておきます!
いつものお散歩用の給水器
災害時、いつもと違うことにストレスを感じてしまう子もいます。
いつものお散歩で使っている容器であれば、安心して飲めるのでストレスが少なく済みます。
シリコン製の折り畳みボウル
防災リュックに常に入れておきたいのが、持ち運びに便利な折り畳みのシリコン製のボウル。
荷物がコンパクトになるのでオススメですよ。
日頃からペットと防災訓練しておこう
災害時はペットも強いストレスを感じています。
中には食欲不振を起こしてしまい、水すらいつもより飲めなくなる子もいます。
日頃から防災意識を持ってトレーニングをしておけば、災害時にスムーズに避難できますし、避難先でより愛犬と快適に過ごすことができます。
まとめ
愛犬と災害を乗り切るには、飼い主が日頃から万が一に備えておきましょう。
特に、「水」は人間にとっても、愛する犬にとっても大事な生命線となります。
何が起こっても困らないように、何が必要か人と犬の違いを理解しつつ準備しておくことが大切です。